La Belle Dame Sans Merci

日の出少し前に家を出た。東の空がオレンジ色に輝いて頭上高く色あせた月があった。海辺に行くと昨日大量に降った雪で装った富士山が力強く見えていた。箱根の山も雪化粧だ。太陽が次第に上がって目の前のさざ波がきらきらと光って本当に美しい冬の朝だった。穏やかな海。彼の地では海が怒って人に襲いかかった。沢山の人の命を奪ったことが悲しい。今朝はこの冬一番の寒さだ。海辺の道の水たまりも凍っていた。明日の天気予報を信じれば今朝の富士山は今年最後の見納めになるかも知れない。
Mと今年最後の食事を銀座でとる。M曰く「表面の美しさは必ずしも内面の美しさを映しているとは限らないと知った」と。わたしはインターネットで探したジョン キーツの詩La Belle Dame Sans MerciをMに贈った。