バロックダンスを楽しむ

殆ど不可能な日程にねじ込んで見に行ったバロックダンスの公演は本当に見応えがあった。己の年齢も、無理な日程も忘れて出掛けたが無理をした甲斐があった。プログラムの最初、「アポロンの入場」では暗いステージにぱっとスポットライトが当たりダンサーが浮かび上がると私は軽いショックに見舞われた。ルイ14世もこれを踊ったなんて解説があってはもう私の心は時を越えてルイ王朝に飛んでいた。ダンサーと太陽王ルイがオーバーラップしてしまう。あのマリー・アントワネットも他のことはおいてダンスだけは上手だったという解説もあった。バロックオーケストラの典雅な響きのなかで踊られるこの時代のダンスは上半身は殆ど動かさず腕や手の表情が少しあるだけ、ステップにこそ意味があるように思えた。T・ベアード、浜中康子、P・ボーゲス等の踊りの確かさに感動した。昨日の公演ではマリー・アントワネット作曲の歌も披露された(池田理代子さんは「べるばら」の漫画の中から抜け出たような美しいドレスで独唱)。
子供たちが小さかった頃、一緒に何度か見に行った大阪を拠点として活躍するルネサンス合奏団ダンスリーの公演をふと懐かしく思い出した。またマスネのオペラ[マノン」(アルバレス/フレミング)の中で踊られるバロックダンスも。今はこれをもう少し深く知りたい気分。取りあえずこのジャンルのDVDを求めよう。