長電話

長電話の主だった娘たちは家を出たし、パソコンでメールを書くことを覚えて10年以上経った。私の情報交換が電話からメールに移行して受話器を手に握る時間はほんとに激減した。従って電話代も減少した。しかし昨夜は2本の電話で8時から11時過ぎまでしゃべり続けて受話器を握る手は硬直するし喉もからから。しかし昼間の講座の感想が時をおかずTさんの口から語られ、嬉しいことだった。私のやったことがみんなに受け入れられたとの思いで気持ちがよかった。Tさんと私の関係はもう15年に及ぶ。あちらの方が15歳も若いが心はすぐ打ち解ける。話も講座のことばかりか家族のこと今の思いまで自由に飛ぶから2時間のおしゃべり時間はすぐ経ってしまう。予期せぬご主人の発病と1年をこえる闘病生活にも関わらず下を向かず前進する彼女の姿に受話器を置くことが出来なかった。電話が終わると夫がいったい何をそんなに話していたのと聞く。内容をかいつまんで話すと今の話なら2時間を2分に縮められるじゃないの?とからかうが私たち2人の電話は次の日を生き抜く決意まで含めてやはり2時間はかかるのである。もう1本はわが娘からの電話。耳を澄ましてわたしの受け答えから会話の内容を想像する夫。娘の電話は空からの、優しさに満ちた天使の声のように私たちを和ませてくれた。