わたしの居場所は一体どこ?

夫がリタイアした友人が言った。「もう本は基本的には買わない。借りて読む」ケチなのではない、処分に困るのだ。我が家でも夫がリタイアした時この言葉を思い出したわたしはこれを実行に移したいと思った。しかしほどなくそれが不可能だという事に気が付いた。夫は日課の散歩で寄る本屋で週2、3冊の本、雑誌を購入するのだ。家のあちこちが本で一杯なのに更に増えて行く。そう言うわたしも本は買って読みたい方だ。この頃は読み終わった本を特別の場合を除いてみな友人、娘達に回す事にしているが。
今日また新たに大きな本棚が届いた。もう十時近いというのに夫はまだ本を並べている。積み重なっていたお気に入りの本達。つげ義春もずらっと並んだ。幸田文青木玉親子も並んだ。向田邦子武田百合子も手塚治もいる。何だか夫は嬉しそう。しかしこれで広いと思っていた我が家の18畳のリビングは5台のパソコンと大きな本箱2つに占拠され研究室かオフィスの1室のようになってしまった。気が付けばわたしの居場所はどこに?