リチートラ、アルバレスへのオマージュ

房総の温泉を求めて朝から出発。わたしはCD5枚を携え助手席に。ナビゲーターの責任は負わない。始めから終わりまでCDを聴き続ける。頼る助手のない夫は終始「おーブレネリ、あなたのお家はどこ?」を眠気を払うように歌っていた。
持ち込んだCDはリチートラの"The Debut"、アルバレスの“Bel Canto"、“French Arias"、二人のポップス“Duetto" それに買ったばかりのアルバレスの“Gardel"。片っ端から聴いた。“Bel Canto"は雑音がしたのでタワーレコードで取り替えてもらったので問題なし。アルバレスの美声に惹かれて買ってしまった“Gardel”、タンゴの数々を歌うアルバレスには少なからず驚いた。アルゼンチーノのアルバレスの血の中には本人が認識しなくてもこのリズム、メロディが組み込まれているのかもしれない。第13曲は作曲者本人とアルバレスのデュエット。70年の年を経てガルデルとのコラボレ−ションがいい感じ。
アルバレスの“French Arias"がとてもいい。第1曲の"Pourquoi Me Reveiller"は外の歌手が歌うどの歌い方とも違っていた。優美とでも言うか。第2曲のホフマン物語が好きになった。つい最近までホフマン物語は「舟歌」しか知らなかったわたし。clik,clacとかflic,flacという擬音が歌われていて効果的だ。
いつも重い鞄を抱えて年寄り臭く少しうつむき加減、そしてすり足で歩くわたし。きっとそんな姿をしていると思う。でもリチートラやアルバレスを聴くといつのまにか胸を張りバレリーナのごとくすーっと首を伸ばし足取りも軽い自分に気付くのだ。ああ、人の声の魔力!!!