マグロの解体ショーで

スーパーでマグロの解体ショーをやっていた。大きなマグロが鮮やかな手さばきでさくに切り分けられて行く。わたしも1さく買った。それで思い出した。
ジュネーブにはマグロのさく売りはなかった。地中海産のまぐろはショーケースの中に頭を取った形で置かれていた。売り方は輪切りであくまでもキロ○○スイスフラン。いくらで売っていたかは忘れたが安くはなかった。日本人がこれを刺身用として買うとき問題だった。1キロ買ったって厚みはほんの数センチということがあってテーブルに出す時体裁が悪い。かっこうよく盛りたければ数キロ買わなければならなかった。それで主婦は先ず魚屋で品定めして一番太い部分を誰かが買ってほどほどの厚みで買える頃再び魚屋を訪れて買う。ずいぶん苦労したものだ。夫はそんなにまでして日本食を食べる必要なし、全ては現地調達主義で、といつも言っていたが遠くヨーロッパにあって日本を思い出したく我が家を訪れた方には振る舞ってあげたいと思ったものだ。
刺身の思い出はもう一つある。刺身を背に久しぶりの日本語でのお喋りに夢中になっていた女同士、さて料理しようと調理台を見やったらお皿の上のマクロがない!!!そして傍らには客がつれてきた愛犬が「珍しいご馳走にありつけたわい!」という顔で舌なめずりしていた。
あの日は後半分がまだ冷蔵庫にはいっていたので事なきを得たのだった。
今夜はお刺身、冷たい茄子の煮物中心の夕食にした。