夢かうつつか

アルバレスが至近距離にいる。そして歌っている。一夜明けた今となってはあのシーンは本当だったのか夢の中にいたようにさえ感じる。コンサートは『フェデリーコの嘆き』で始まった。表情ゆたかな動きそして分厚い胸板から繰り出される声量のある美声に酔う。オペラ公演で滞在している間のコンサート。アルバレスは疲れも見せず、歌うことの喜びは彼の体全体からわき上がって来るように思えた。
ゆうべはわたし同様ひとりで会場にいたわかくて美しいAさんと知り合い一緒に聴いた。音楽大学卒で音楽関係の仕事につくAさんからこの旬の歌手につぃて色々情報も得た。
この声に巡り会えてわたしは日々勇気と喜びを与えられている。そして今日は一日腑抜け。待ちに待ったゆうべのコンサートを越えた今、仕方がないかなと思って今日は腑抜けの自分を受け入れ過ごした。
明日から普通の、残りの夏の日が過ぎて行くだけ。