泥大島の紬

タンスの引き出しに義父の形見分けの大島が2枚ある。美しい紬だ。ずっとこれをどうにかしたいと思っていた。知り合いが同じような着物を古着屋に持ち込んだら値踏みはなんと3000円だったそうだ。こんな美しい絣織りそして着ていた人のぬくもりを感じる物をみすみす3000円という安値で手放すのも悔しい。今年こそこれを薄いフルレングスのコートに仕立てよう。襟元と袖口に黒のベルベットをあしらったらアクセントになるだろう。先ずはほどいて平らな布にしなくては。
父の形見の大島だけでなく私が嫁ぐときに用意した数々の和服も何十年もそのまま。最近は虫干しもしないままだ。どうなっているか恐ろしくてタンスの中は覗けない。これをドレスにしても着ることもない。何かいい利用方法はないものか。