チャットの準備は出来ています

Fさんから電話があった。必要な電話ではあったけれどそれは最初の1、2分で事足りた。後40分は過去に観た音楽映画の話になってしまった。私たちがティーンエイジャーの頃音楽をテーマにした映画が沢山あった。「オーケストラの少女」、「カーネギーホール」、「カルーソー」そして作曲家のシューマンと妻クララの物語「愛の調べ」などなど。数え上げればきりがない。映画を観てそれ迄知らなかった曲に触れレコード屋へ駆け込んだ事も幾度か。伊勢丹の前に日活名画座というのがあって古い洋画が観られた。私はそこに通い詰めていたと言って良い。お小遣いの続く限り映画にどっぷりつかっていた。Fさんは先生が観なさいと言ったからという常套手段で資金を手に入れていたという。こんな切りのない話だからいくら話しても終らなかった。
受話器を置いたところで夫が言った。そんなに話す事があるならチャットにすれば、、、と。我が家ではチャットの準備は確かに出来ている。ただ最近は相手がいないのでカメラも邪魔になって脇に片付けてしまった。相手が同じ環境を作ってくれさえすればすぐ始められるのだが。