小人閑居して不善をなす

仕事の本を読んでいた夫が顔を上げて言った。「奥様、毎日忙しくて大変ですね」夫のからかい半分の言葉を背に受けてアンクルンの演奏に出掛けた。連日出掛ける用事が続いてそろそろ嫌気がさしている。しかし明日明後日もMの代わりの仕事が待っている。全く困ったもので出掛ける日と在宅日がバランス良く配置されることは余りない。つい一昨日迄今週は暇な時間がふんだんにあって映画を1本観ること、マティス展に行くことそれから手に入れたDVD「マノン」を観ることを予定していた。多分全部諦めることになるだろう。
しかしふんだんな暇があるときは更に注意が必要だ。「小人閑居して不善をなす」この不善は積極的な不善ではなく気のゆるみから私がやらかす様々な失敗を指す。
アンクルン演奏会場迄の行き帰りは最近再就職に成功したOさんのお世話になった。それで今回の再就職の顛末を色々聞いた。それは素晴らしい話だった。40人のライバルを蹴散らしての仕事ゲットだったという。長い仕事生活の中でしっかりしたキャリアを築いて、しかもそれがたまたま今の時代にマッチしていたから年齢に関係なく再就職を果たしたのだろう。健康にさえ恵まれれば70歳を超えてもこのままいける。素晴らしいことだ。