オーチャードホールで

Jがコンサートの切符が余っているからと言うので行った。渡辺香津美がギター奏者だとは知っていたしどんな風貌の人かもわかるが残念なことに彼の音楽に触れたことがなかった。そこには私が知らなかった音楽の世界と聴衆がいた。クラシックの聴衆より若い人が多かったが白髪の人も。皆リズムに合わせて大きく小さく体や頭を揺すっている。良い演奏には口笛やかけ声も聞こえて雰囲気が盛り上がった。2時間15分休みなく演奏し切るエネルギーに感嘆した。いつも聴くクラシックと趣が違うが演奏技法の卓越していることは私にも分かった。リズムの素晴らしさも分かった。3種類の楽器が繰り出す強いビートが直接ステージから響くし背中には椅子の背もたれからの振動が伝わってクライマックスではコートをしっかり抱えて全身をかばう始末。終わりにちかずいて彼が聴衆にクラッピンクを促すと演奏と手拍子が一体となる。素敵なシーンだった。彼がオーチャードホールの広い会場をたくさんの聴衆で一杯に出来るそして様々な年齢の人を魅了出来るアーティストであることを知った。