娘の古着

朝のウオーキングが辛い時期が来た。それでも風のない日は1キロも歩けばあたたかくなるが風の強い日はとても家を出る気にならない。2、3月はこの風の強い日が結構あってウオーキングを休む日も多い。寒に入ってウオーキング用のショートコートも厳寒用のものに取り替えた。このコートは中学生だったN子がジュネーブでの通学用に使用していたもの。いつになっても明けないヨーロッパの朝、街灯が灯る道を行くこのコートを着た娘を見送ったものだ。今はお下がりならぬ娘から母へのお上がりになった。今でこそ日本の防寒着も可成り進化したがこれを買ったときは感動した。コートを着てN子は言ったものだ。「まるでお家を着て歩いているみたい」
胸にシャモニーのワッペンがたった一つ飾りとして付いている娘の古着を着て今朝も海辺の道を歩いた。