弱り行く愛猫

猫に薬を飲ませるのは本当に大変だ。結局薬入りえさは1回嫌々ながら食べただけ。すぐ嫌な事は学習してわたしが薬の置き場所に行くとすたこら逃げ出すし、大体いくら相手が猫でも薬入りえさの匂いを嗅いだ後「これしかないの?」と言わんばかりにあんな目つきで見上げられるのはこちらがごめんである。結局一番良いのは子供たちに飲ませるときやったあのやり方だ。ほんの少しの水で練った粉薬を指先に張り付け強引に口を開けて一瞬のうちに上顎に練り付ける。これでやっと薬を完全に飲ませることに成功した。耳の病気は良い具合に快方に向かっているようだ。
しかし最近タラには重大な変化が見える。老化だ。後ろ足の弱さが目立って時々ヨタッとする。これからの時期日ながねそべって日だまりを楽しみたい大好きな出窓にさっと飛び乗れない。後ろ足が登りきれずがりがり壁をひっかきやっと事なきをえるのだ。愛らしかった顔も頬がこけてしまった。その姿を見ると急に寂しく悲しくなってわたしは日に何度もタラを抱きしめてしまう。