伊達の薄着

めっきり寒さが加わって町を行く人もコートを着始めた。この時期私の悩みは夫だ。どういうわけか夫は年内コートを着ない。娘達から貰ったカシミヤの襟巻きも指先まで温かいイタリア製の手袋も全く出番がない。2日前の寒い日、所用で出掛ける夫のため朝からコートにアイロンをかけて寒いからコートを着るように言ってから一足早くでかけた。帰宅してみると案の定コートは玄関に吊るしたまま。夫はスーツ姿で出掛けたのだった。この冬最初の寒い曇った日、帰宅したのは9時過ぎだった。出先まで車で行くのだったらスーツ姿も構わないけれど電車では外気に当たる時間も相当あるのに。こういうのを伊達の薄着というのだろう。年寄りのくせに格好をつけている。今日も散歩に出掛けた夫は薄いウールのシャツで何も羽織っていなかった。薄着が体を鍛えるとでも思っているのかもしれない。