プルシェンコの金髪

美容院に行こうと家を一歩出ると少し風は冷たかったが日差しは春。急いで室内に戻って厚ぼったいコートを取り替えて出直した。
1ヶ月半に1回出掛ける美容院での2ないし3時間は首から背中へのマッサージも含めてストレス解消のときだ。いつもカットしてくれるSさんとはもう10年以上の付き合いだ。前の担当が突然退職してSさんに交代した時その技術の未熟さにどうしようかと思ったのが正直な気持ちだ。でもまあいいかと我慢してやってもらっているうちに彼女の技術はめきめき上がってきたのだった。今では「何処で髪を切っているの」と訊ねられることさえある。美容院は昔の浮き世床に通じるものがあって美容師は客に合わせて何でも一応話せなければ。彼女はそれもすんなり出来る大人の女性に成長した。今日の我々の話題はフィギュア男子選手の髪型。プルシェンコの自然なカットの金髪が風に乗ってそよぐ様が素敵だったのに我が国代表選手はムースでがちがちに固めた髪がそのままの形で不自然に右へ左へ傾いていた。この次からコスチュームだけでなく髪型も考慮に入れてほしいなあが結論だった。
今日は「蝶々夫人」を半分しか観られなかった。次から次へと電話が鳴って気をそがれてしまったのだ。これはオペラのステージではなくてオペラフィルム。カラヤン指揮するオペラがフィルムとして制作されているのを初めて知った。