いつ車生活を卒業するか、決断は難しい

風向きが変わって真冬のように寒い駅に降り立つと目の前に見慣れたF夫人の背中があった。リュックを背負ってご主人と一緒だった。こんな寒い日、どうして車じゃないのかといぶかしく思ったが二人は歩きだった。思い切って車生活を止めたのだという。20歳台で免許を取り50年近くずっと乗り続けて来て生活の中で一番便利にしていた移動手段を変更したわけだ。その決断に偉いなあと素直に思う。夫はつい最近シニアドライバーの講習を受けた。結果は最高点5は取れなかったようだ。これを娘に言うとそろそろ危ないから運転は止めたら、と夫に聞こえないように言う。(そう言う娘も実家である我が家に帰って来る時パパのお迎えが欲しいのも事実だ。)運転を止める潮時を自ら知るということはとても難しい。年齢を重ねて買い物にも遠い所へ行くにもこんなに便利な物はないのだから。都心のように交通ネットワークが充実していない郊外にあっては尚更。しかし決断の時は刻々と近付いているように思う。