メールがくれた喜び

最近のEメールに関わる色々な事件をテレビや新聞で知るにつけ夫はやリ切れない様子である。この素晴らしいコミュニケーション ツールの間違った使い方に苛立っている。スイス ジュネーブにあるセルンの研究者が自分たちの研究成果の連絡のため開発したEメールだったから当初の使用目的を思う時悪用に文句の一つも言いたくなるのだろう。何時も聞き手は私。
パソコンに関しては家族の中で最後まで落ちこぼれていた私は当時話題のiMacを購入した。そしてEメールに挑戦したのだった。まず夫に手渡されたのは薄っぺらい一冊の本、The Elements of E-mail Style である。夫が不在のこの数日1年に1回の本棚の整理に着手して片隅に差し込まれていたこの本を発見してあの頃を思い出した。病後で静養中の私(復活した今の私をあの頃誰が予想できただろうか)は一日中家の中で外出は病院へ行く時だけ。そんな状況下でパソコンにでも興味を持てば少しは引き蘢る生活にアクセントがつくだろうと夫は考えたのだろう。キーボードの扱いは昔のタイプライター、ワープロで分かっていたからさほどの苦労もなく取り付くことが出来た。私にはパソコンが限りない未来を持つ機械に思えた。今でこそまるでこのツールが太古の時代から存在していたかのように日々使用しているがフリーズに悩まされたあの頃が懐かしい。今でもパソコン使用の目的の中で一番多いのはメールを書くことだろう。多くの友人と一対一、一対複数とこんなに容易に連絡し合えるEメールの開発者に、それを更に進歩させてきた人たちに感謝。