U子さんから手紙が来た。1枚の写真が同封してあった。U子さんとKが写っている11月3日の写真。二人の後ろのレースのカーテンを通して明るい太陽を感じさせるが、ジュネーブに近いフランスの山間のこの土地は既に冬のようだと書いてある。去る7月ご主人を天国に送ったばかりのKがU子さんを訪ねたのだ。写真に私がいないのが残念だ。過ぎること30年近く前私たちはいつも一緒だった。Kと私は近くに住んでいたから朝のモーニングティーはいつもイギリス人のK宅で一緒だった。春の野にタンポポを摘んでサラダを作り、秋には栗拾いして焼き栗を作った。そばに行ってKの淋しい気持ちを慰めたい。来年4月には必ず出かけてKを訪ねたい。この数週間の病気でなんだか健康に自信をなくしかけたけれどKに会わなければと思ったら元気が出て来た。