今夜は鎮魂の曲を

数日前父方の従兄が亡くなった。一昨日はその弔いで地方に出掛けた。寒々とした日で車窓から見る冬の山も目をそらしたくなった。昔々高校生のわたしが行きたいコンサートにはこの従兄が用心棒としてついて行ってくれた。彼がその頃音楽が好きだったかどうか知らない。しかし用心棒のつとめから音楽が好きになったのか後年はオペラの愛好者として自宅にリスニングルームまで持っていたという。祭壇上の写真を見て遠い昔を思い出した。初めて行った本格的コンサートはゲルハルト・ヒッシュだった。その時の演目、シューベルトの「冬の旅」を思い出す。時間が取れた今夜、ゆっくりオペラ愛好者だった人の鎮魂を願いつつ、ヴェルディの「レクイエム」を通して聴いた。