入浴の作法

いつもの通り最後は後楽園のラクーアで一浴び。最近在住及び観光旅行の外国人の間でもこの温泉の存在が知られるようになったらしい。余り熱くない薄茶色の温泉湯に浸かって目を閉じていると聞いたことがない言葉が耳に届いた。目を開くと若い西洋人が二人湯に入って来た。ところが一方の女性の長い髪は温泉湯にどっぷりと。こんなとき私は黙っていられない。しかし彼等のおしゃべりに耳を傾けてもどこの国の人か一向に判断がつかない。そこでへたくそな英語で「お楽しみのところですが日本の入浴の作法では髪の毛、タオルを湯に浸けないのが作法よ」と、注意してしまった。ちょっとびくびくものだがこの二人はとてもいい感じに「知らなかったわ、ごめんなさい」とすぐに頭のてっぺんで髪をまとめ上げた。ちょっと乱暴だが日本語も通じることが分かった。ついでにどこから来たのか、日本で何をしているのか訊いてみた。留学生としてチェコから来ているとか。クリスマス前に帰国するそうだ。プラハへ行ったわと言うととても喜んでくれた。温泉で思わぬ国際交流だった。