駅まで車を走らせている間夫はルンルンだった。大きな声で歌いながらの運転だ。なんて言ったって久しぶりに愛娘と会うのだから。忙しい子供たちは来るとしても夜になってからばかり。今日は有給をとって日中のお出ましなのだ。駅でK子を乗せて50分余り郊外のレストランへ行く。落ち葉の住宅街にあるレストランは結構な賑わいだった。秋のストラスブールでの研修の写真を見せてもらいながら随分話した。趣味のこと、会社のこと、一生懸命やっているのがよくわかる。夫は本当に楽しそうで私が口を挟む余地もないほどだった。K子は結局我が家には寄らずに帰って行った。昼間は楽しかったのに夜になってから大切なメモ帳を置き忘れているのに気が付き大騒ぎ。階下二階とあらゆる所を探した、と思うのだが発見できない。明日からの自分の行動に穴があきそうで恐ろしい。