インドネシア民族楽器アンクルン

アンクルンの練習日。練習に間に合うように出掛けるため、持って行くお菓子を早くから焼かなければならなかった。それでウオーキングはお休み。ゆうべのうちに仕込んでおいたパテを焼き型にしき込んで今日はtourte aux pommesを焼いた。直径30センチの出来上がりは結構な迫力あり。リンゴの甘酸っぱい香りがいい。
インドネシアの竹の楽器、アンクルンの優しい音色に魅了されて3年ほど経った。良い指導者のもと、インドネシアからの留学生も加えて和気あいあいの練習が月2回。皆楽しみにやってくる。
この楽器の奏法はこの頃知られるようになったハンドベルと同じである。一つ一つの楽器が一音を出す。奏者は楽譜に従って自分の持つ楽器を揺すって響かすのだ。一人一人が自分の音をしっかり鳴らせるといいのだがぼんやりしていると鳴らし損ねる。私は「ミ」の担当だ。
「ハロ ハロ バンドン」はわたしにとって厄介な曲だ。難しいからではない。曲の後半に「ミ」の音がたった一つ、しかも八分音符つまり短い音がたった一つあるだけなのだ。曲の始まりの時は緊張するのだがすぐ雑念が心をよぎる。「今夜の夕食は何にしようか」「帰りにあの店に寄ろう」とか。その結果見事に八分音符の演奏に失敗。音のない空白時間が生まれ、指揮者から注意を受けるのだ。一人だけの失敗ならいいが演奏者の多くが雑念にとらわれていると演奏は無残。音が飛んで聴くに耐えない古いレコード演奏のようになってしまう。
この頃はレパートリーも増えた。インドネシアの子供の曲などは可愛らしく素朴で魅力に溢れている。美声の留学生のソロやデュエットも加わって楽しい演奏になる。いつかインドネシアのアンクルン村を訪ね一緒に合奏することを合い言葉に今日も練習に励んだ。この秋は3カ所の国際交流の催しに参加する予定。