冬枯れに薔薇の花

韓国土産の「柚子茶」なる物をもってK子が来た。韓国製の黒のしゃれたコートを着ていた。いつも通り仕事を終えてからだから到着は8時半。あまりに到着が遅いので夫は電話をして見ろ、とうるさかった。K子が来ると冬枯れの庭に一輪の薔薇が咲いたよう。夫の笑顔がいつもより一段と輝いている。会社のこと、パリ行きのことなど時間を気にしながら話した。クリスマスを控えて実家兼トランクルームからクリスマス用の飾りなど持ち帰えるのが今日の目的。いつものことながら駅まで夫がアッシー君を勤めた。わたしはあらかじめ拵えておいたきんぴらなどK子が結婚以来けなげにも作り続けている夫と自分のお弁当用に常備菜数種を持たせた。「もう今年はこれで終わり。来年パリから帰ったら来るわ」と一声を残して駅へ駆け込んで行った。N子も今年はパリに出掛ける。来年1月1日の夫の誕生日はいつになく淋しくなりそう。