後からやって来たオペラファン

春一番が吹いた翌日はこの通り冷たい日になった。しかし私のこころは熱く、至福の時を過ごした。オペラ。そう、オペラDVDを楽しんだのだ。「ランメルモールのルチア」を丁寧に観た。アルバレスとデヴィーアの新国立劇場版だ。そしてその後CDだけを繰り返し聴いた。
この数ヶ月の私は熱狂的なオペラファンと化した。堰を切ったように毎日聴き続ける私を夫は半ば呆れ気味で見ている。従兄のAは大学生の時私の音楽鑑賞の日比谷通いに父から用心棒を頼まれた。その後彼は熱狂的なオペラファンとなり自宅にリスニングルームまで設け、初期のイタリアオペラ来日公演をはじめ折々観て来たらしい。一方わたしは忙しさにまぎれ音楽は日々の糧ではあるがコンサートに行くのは1年に2、3回、時間もあまりないまま来た。ところが去年3月に気まぐれでサルバトーレ リチートラのコンサートに出掛けた。彼の東京デビューコンサートだ。そして私の心になにか大きな変化が起きた。私は後からやって来たオペラファン。自分の年齢を考えるとなんで今?とも思う。