行く人帰る人

K子パリから無事の帰国の報告を待つところに電話が鳴った。声の主はN子だった。「明日は母の日だけれど出張だから帰ってからね」韓国へ3泊の仕事だという。ここ2週間ばかり出張直前の準備で忙しいとN子とはメールも電話もすっかり途絶えていた。平穏のうちに仕事を終えられればそれでよし。行く人N子、帰る人K子。我が家もこの春は出入りが多い。K子の電話はなくよく考えてみると7日に発って8日成田着なのかもしれない。
次に鳴った電話はとんでもない内容で絶句した。中学時代からの仲良し4人組の一人M子の長男が事故死したとM代からの電話だった。30台半ばの働き盛りが命を落としてしまった。最愛の子を失ったM子の心情を思うと涙が出て仕方がない。こんなことは起きてはならないことなのだ。すべての子供に言いたい。決して母親に死んだ子の年を数えさせてはいけないと。母の日を前にM子と西日本JR脱線事故で子を失った母に哀悼の気持ちをおくりたい。