リチートラの歌声はホールにみち満ちて

帰宅は11時を回ってしまった。サルバトーレ リチートラ「アリアの夕べ」はものすごい喝采と「ブラボー」のかけ声のうちに終わった。力強く清々しく癖のない歌声はサントリーホールの隅々まで届き、聴衆が酔った夜だった。私も今宵の幸せをかみしめた一人だ。感謝。次はいつこの声を生で聴けるのか。
6月中旬の「イル トロヴァトーレ」に始まって一昨日、そして今日と聴いたが今日は圧巻だった。
朝から強い雨が降っていて夕方からの外出が思いやられたのにその止みそうにない雨が午後止んだ。雨は乾燥よりリチートラの喉にいいはずと雨を恨まないことにしていたが。天は聴きにいく我々にまで味方した、ということ。「トスカ」から2曲。「アンドレア シェニエ」の名アリアは前半の最後だった。「天使のようなレオノーラ」「永久に君を失えば」もドキドキしながら聴いていた。わたしはフロトーの「マルタ」のアリアが昔から好きだから聴けて嬉しい。
今夜の興奮は当分心の中で何度も繰り返し思い出されて幸せな気持ちを私に運んでくれるだろう。