「新しい葡萄酒は新しい革袋に」入れたい

古い家に最新で強力なエアコンが入った。いい加減くたびれた家に新しいものを設置するのだから大変だった。この二十数年、必要があるたび大型家電が入ったり、パソコンが次々来たりで電気工事も継ぎ足し継ぎ足しやってきたので今日は設置に来た電気屋もどうするのが一番良いか頭を抱えていた。夕方になって少し風が出て来たものの依然として蒸し暑い。作業中の人も観戦していた我々も汗びっしょり。しかもいつもは開け放すことの殆どない掃き出し口も庭に向けて開いたまま。これ幸いと入って来る蚊に刺され放題だった。工事の終了に2時間余りを要した。「新しい葡萄酒は新しい革袋に」じゃないけれど古いものに新しいものを組み合わせるのだから大変なことだ。快適生活を保持するのは時には厄介なものだ。
ところで今日我が家に来た工事の人は2人。若い助手を連れた40歳代の人だった。助手を呼ぶ時彼はずっと◯◯君と呼ぶ。◯◯君もその先輩に応える時ずっと軽い敬語を使い続けていた。その爽やかなやり取りに傍にいる私たちもいい気持ちだった。この暑さの中誰だって快適なはずがない。それでも仕事中このようなやり取りをしているのだからこれが普通の事なのだとうかがえた。人前で取り繕っているのではない。