キンモクセイ

いつの間にか朝が来るのが遅くなった。今日のように雨の日は殊更朝が暗い。しかしわたしは朝が好き。両親の習慣が身に付いたのだろう。この春だったか。朝の語学講座を見るため付けたテレビで視聴者の短歌を紹介していた。いくつかの選ばれた作品の中の一つがこれだ。

    茄子紺の町の廚に灯がともる
          母より早い朝は来ない

短歌について何の素養もない私だからこの歌がどれほどのものか知る由もないものの早起きの我が母、家族のためいつも早起きをして来た自分の今までを思い妙に感動した。
今日は午前午後と2回も外出した。2回目は暗くなってからの帰宅。日中に比べて雨脚の弱まったくらい道を歩いているとキンモクセイの甘い匂いがあちこちから漂って来て秋を認識した。