年賀状の準備

暮れ近くなって年賀葉書を買った。わたしは年賀状を準備するのにそれほど情熱を傾けるほうではない。むしろなければその方が一つ仕事が少なくなっていいとさえ思っている。しかしなかなか連絡の取れない古い友人縁者との年1回の賀状の交換を完全に否定することもも出来ないでいる。Rさんからは今年から賀状を失礼すると言って来た。勇気ある行動だと思う。この時期あちこちから年賀状遠慮の葉書が舞い込む。長寿を全うした人の場合はとにかく若い人の死を伝える葉書は悲しい。今日もそんな葉書が来た。愛息を失った悲しみを伝えるのは大学時代の友人からのものだった。息子さんは32歳という若さだったという。パイロットという重責を担う仕事にあって道半ばで命を落とすとは母としてどんなにか口惜しいことかと短い文面を何度も読み返した。