熟年離婚

元来夫は亭主関白だと思う。昔から旅行でも外食でも何の相談もなしに自分の勝手で決めてしまっていた。「今度の旅行は何処にしようか」なんて間違っても訊ねられた事がない。昨日Hさんと落ち葉を踏みながら家族の話をして私は夫をこんな風に説明した。するとHさんが言うには今話題の「熟年離婚」というドラマではまさに夫が自分だけの思い込みで英語会話の授業料を払い込んだ事が発端で結婚生活が崩壊に向かうのだそうだ。我が家でそれを当てはめたら私は今までに何百回も離婚しなければならなかっただろう。先月Fさん宅で話したイタリア女性はこのドラマを興味を持って見ていると言っていた。そして日本の熟年離婚現象の、60歳を過ぎて離婚することの不利を指摘していた。何十年も我慢してから先の見通しもない離婚をするより早い時期に離婚という結論を出して新しい人生にこぎ出すイタリア的な結婚観の方がいいのではないかと言っていた。