神楽坂へ

夫と昼食を神楽坂で食べた。ウイークデーでもここはそれなり人がいる。新宿にも渋谷にもないこじんまりとして穏やかな日本があるという感じ。子供の頃牛込弁天町に住んでいたわたしは週1回都電に乗って神楽坂へ習字のお稽古に来ていた。変貌した現在のどの辺りに習字教室があったか思い出すことも出来ないが先生が中年の男性だったことや入り口を入ると細長い畳敷きの部屋に同じく細長い習字用の机が並んでいたことを思い出す。料亭も多かったはずだが子供が行き来する時間帯は華やぎも感じない普通の町のように思っていた。
今日は珍しくわたしがお金を出すことにして書店巡りの間に神楽坂にまわったのだった。しかし夫を引っ張って行ったレストランはお休み。この店に私は過去1、2回来たことがあるのだが夫も知っていた。おいしいけれど値段も高い店だと夫は一言。そして続けて言った。「高いものは美味しい。安いものはまずい。それは当たり前のこと。そこで美味しくて高すぎないものを見つけるのがグルメのこつだ」と。かくして今日はこれも大好きな紀の膳で予定とはがらりと変わって釜飯を食べた。「君はダイエットだから止しなさいよ。僕だけね」という夫に負けず同じ田舎じるこも食べた。食後飯田橋を通って後楽園まで徒歩。最後にラクーアで一休みした。目指した店が休業日だったのでおいしいちらしは食べ損なったが私の財布の中身は余り減ることがなかった。