チリの音楽と踊り

「私の国を紹介する集まりがあるからぜひ来て」とチリ人のTさんに言われていたので出かけた。昨日から続いている蒸し暑さで殆ど出かける意欲は失いそうだったが約束を果たしたくて出かけた。土曜日の午後80人からの人が集まっていた。わたしはチリについて何も知らない。遠い昔読んだ軍事政権下のチリ侵入記(誰が書いたかも忘れたが)を通して過酷な生活を強いられた民衆がいたことを少々知っているだけ。今日はそういったレクチャーはなく、歌あり踊りあり食べ物ありで楽しい異文化体験の時だった。Tさん自身も民族衣装で装い踊りのステップを踏んだ。いつも素晴らしい日本語で仕事の話をしているから彼女をチリ人だと認識することもなかったが情熱的な音楽に合わせて踊る彼女はまさに南米チリの女性だった。白い肌が上気してとても美しかった。懐かしい故国の音楽に酔っているようだった。最後には私も皆の踊りの仲間に入った。会場には10年来の知人が何人も出席していて私も楽しかった。名前をはっきり覚えている人、名前は忘れたが表情だけは忘れていない人等々。その中にH氏がいた。現役時代に培った外国語、知恵、国際感覚などを武器に再就職した自信にあふれる表情が印象的だった。私が初めて会った頃も素敵な紳士だったが新たに活躍の場を得て一段と楽しそうだった。