師走の一日

夫が忘年会で出かけたので急遽予定していなかった映画鑑賞を実行した。夕食の準備をしなくてよいからである。シャンテ シネの「敬愛なる ベートーベン」に決めた。映画はいつも第1回目の上映を観るが今朝は間に合わず2回目を観たので館内はほぼ満員。第九シンフォニー作曲にまつわるエピソードという内容だったがハンガリーで撮影したという映像は時代を美しく表現していた。ベートーベンは本物にはお目にかかったことがないけれど思い描く姿に近かった。常識では測れないベートーベンの人物像もよく出ていたし、若い女性写譜係との関係が深まって行く様子が興味深かった。アンナの作品をこき下ろす場面は彼ならきっとやりそうに思えた。第九初演の場面は圧巻。タイトルは「敬愛なるベートーベン」だが原題の「Copying Beethoven」の意味が見終わって分かった。帰りはいつものように銀座でCDを見る。見れば買わない訳には行かぬ。ルネ フレミングとイアン ボストリッジを買った。
帰宅して数日前にKさんから頂いたワインの包装を開いてみるとそれはフランスのワインだった。11月に解禁したボジョレーヌボーでもブルゴーニュでもボルドーワインでもなかった。珍しいことにジュラのロゼだった。ジュネーブで朝な夕なに眺めていたあのジュラの山麓のスパークリング ロゼワインだ。夕食のときに一口飲んでみた。ドライのすっきりした味だった。そのジュラ近くに住むU子さんが今年も帰国した。電話の向こうの彼女はだんだん帰ってくるのも大変になって来たと言うもののその声には艶と元気があり、やはり故郷に帰った喜びで弾んでいるようだった。