美しい物を観るのは本当に楽しい

誘われて庭園美術館でロシアの舞台美術の世界展を観た。バレエは勿論、オペラもロシア物は観ていない私だが展示室に入ると幼いとき父の膝の上で観た写真や父の口を通して知った「ニジンスキー、アンナ・パブロヴァ、タマラ・カルサビーナ」など20世紀初頭のロシアバレエの名踊り手の名前を瞬時に思い出した。今日の展覧会は彼らのステージコスチュームのデザイン画から実際の衣装までを含む舞台芸術の資料が所狭しと展示されていた。私にとっての圧巻は一目見れば分かるニジンスキー、カルサビーナ、パブロヴァなどの写真とマイセンか、彼らの磁器人形の展示だった。展覧会に行って展示物を観ると誰の、どこの所蔵品か必ず確かめるのが好きな私。今日の展示品の多くはニューヨークから来たもので想像するに革命から避難した人とともにアメリカへ渡った物なのかもしれない。2時間半もあの小さな美術館で過ごした。美しい物を観るのはなんと楽しいことか。春3月にパリオペラ座衣装展を観て、今日ロシアの舞台美術を観る。本当に良い目の保養が出来たと心が豊かになって幸せな気持ちがわき上がって来る。
夜になって戦火をくぐって私の手元に残っているニジンスキーを初めとするロシアバレエの名手達の写真集やアンナ・パブロヴァが来日した時のプログラムなどをめくってみた。そう言えば明日は愛する父の誕生日である。.