自己紹介

自己紹介を効果的にしかも短い時間で、というのは本当に難しいことだと思う。秋からの3つの講座が出そろって私の10月はやり甲斐はあるがとても大変。その第1日めには講座参加者を知るため、又彼等にお互いどんな人が来ているのか知ってもらうため自己紹介をお願いする。しかしこの自己紹介にはいつも一喜一憂させられる。中に必ず長引く人がいるから。去る日曜日も2人、その手の人がいた。一人はご高齢の男性。沢山の知識、常識、経験をお持ちのようで話はだんだんずれてフランスで見付かった狼に育てられた子供の話にまで及んだ。さすがの私もオーバーに時計を見たりしたがご本人は全く気が付かない。本当に申し訳ないと思ったがその続きはその内皆で食事をとる時にでも、、、と恐る恐る一言口を挟んだ。もう一人は40歳にもなっていないと見える若いお母さん。この講座を知ったとき今まで3人の子育てとパートに明け暮れてかまっていなかった自分へ、勉強の時間をプレゼントしようと思ったそうだ。娘達に「お母さんも勉強する」と言うと「お母さんも勉強するの?」と娘達が非常に興味を持ったという。そんな話を熱い思いを込めて話すから何と8分!でもこの時私は時間の注意が出来なかった。彼女の話は昔の自分とぴったり重なっていたから。私も子供達に「今度ママも皆と同じ、勉強に行くからね」と協力を頼んだ。勿論夫にも。夫の答えは「応援は心からする。でも実際の応援は出来ないと思う」とはっきり言われた。夫の名誉のために言うが学費は全額出してくれた。男性が一番の働き盛りにあるとき日々の生活の中で家庭を顧みることが出来ない時代だった。こうしてわたしも3人の子育てと勉強ときりきり舞いの生活に突入した。もう30年以上前のこと。Eさんの自己紹介を聞いていて最後までストップがかけられなかった。胸が一杯だった。