chappyの小さなお城

1年前まで私の髪を切っていたchappyことSさんから手紙が来た。そして写真も来た。とうとう美容院の開店にこぎ着けたようだ。一人娘のSさんは開店を機に一人暮らしも始める。ぜひ多くの人に愛されるお店にしてほしい。
彼女との最初の出会いはもう15、6年前。彼女はその頃私の担当者の単なる助手にしか過ぎなかった。美容学校を出たての若々しいが技術はまだ勉強中の身だった。ところが彼女が助手になって1年も経たないうちに担当者が辞め彼女が自動的にわたしの担当になった。月に1回のカットの後ああ来なければ良かったと何度思ったことか。その繰り返しをしているうちにいつしか彼女の腕があがったのか「ねえ、どこで髪を切っているの」と聞かれるようになった。そしてSさんはどんな大変な客でも上手に話を合わせられる大人の女性になった。
突然「辞める」と聞いたのは去年の2月だった。本当に困った。近所のおしゃれな美容院へも行った。でもアーティストと称する若い男性美容師の話は私にとって殆ど理解不能(と言うより今風の表現には全くついていけず気分が悪くなる)。リピーターにはなれなかった。まだここぞと思う、ずっと髪をまかせられる美容院が見つかっていない。
彼女の小さなお城は我が家からは遠く、定期的に行けない場所だ。せめてお祝いに一度だけ行ってみようと思う。