エニシダ

庭でエニシダが香る。5月の風に乗って。のび始めた雑草を抜く私にやさしい香りを送った来る。小説「アンジェリク」でカトリックによるプロテスタント弾圧を逃れてカナダへたどり着いたアンジェリクと新教徒の人々を描いた巻が好きだ。その中で主人公は野に薬草を求めて出る。エニシダが香っている野に。ここを読んだらすぐに購入したのが我が家のエニシダ。日本庭園の樹木から見たら、「駄木」に当たるかもしれないがきれいな黄色の花と高い香りが私を引きつける。すぐ伸びるからどんどん剪定して小さく保つのも大変だ。
早朝庭の草取りをしたあと、起き出した夫と朝食をとり大多喜へタケノコを掘りに、ではなく買いに出掛けた。車を走らせる県道の両側はもう田植えの済んだ水田。遠くに屋敷林や鎮守の森も見えて長閑である。買って来たタケノコは早速茹でて、ゴールデンウイークに来る娘達へのご馳走の食材となる。