娘との会話から

夜になってK子が泊まりに来た。我が家は出て行った子供たちにとって実家であると同時に所持品の保管庫の役目もある。季節が進んで真夏に必要なものを持ち帰るための来訪である。とはいえ夕食後は久しぶりのおしゃべりタイムである。私は母を20代で失った。成人して家庭を持ってからしみじみ両親と話すという楽しみは経験していない。昨夜はワイングラスを傾けながら(飲めない夫はワインをあけただけ)仕事と家庭を話題に会話を楽しんだ。しかし知ったのは働き盛りの人の仕事環境の厳しさ。夫の帰宅時間を記録してあるようだが一日として常識的な帰宅時間に帰っていない。仕事で知っているアメリカ人の女性はすごいキャリアウーマンだが必ず7時には帰宅していた。そしてヘルパーから2人の子供を受け取って主婦に変身するのだった。同じく知っているヨーロパの男性も仕事を持ち帰ることはあっても大抵常識的な時間に帰宅していたようだ。日本人の仕事にだけ帰宅時間を遅らせる特別の理由があるのだろうか。日本の常識は世界の非常識などと揶揄されるこの国の働き方も非常識なのかもしれない。他の国の人にできることがこの国ではできない。どう考えても毎晩就寝時間が翌日になってからというのは不自然。昨夜K子は11時頃寝て今朝は早めに起き、ここからでは遠い会社に、後ろを振り返り振り返り手を振って出勤して行った。