労働の後は、、、

涼しい朝を迎えた。朝一番に触れる水道水の温度も下がって「水」らしくなった。ウオーキングに出ると海も花見川の河口辺りも青潮が発生してエメラルドグリーンに変化しその中をエイが何匹も泳ぎ回っていた。
やっと庭の芝刈り(と言うより草刈りに近い)が終わった。草刈り機は2年前に強力な機種に買い替えたので性能はいいがその分重いのだ。方向を変えるときなどほとほと重くていやになる。ゴミ袋4つ分の芝刈りをするのに4日かけ出来るだけ負担がないようにしたつもりだが今になって左の親指の付け根から手首にかけて違和感、痛みが出てしまった。細かいことをする食事の準備のときに一番感じる。無理してやれば体が悲鳴を上げる。気だけは若いが肉体は正直である。慌てて年寄りくさく、いや年寄りらしく湿布薬を貼付けた。暑さが去ってほっと一息つく。夕方から小雨になった。雨にも負けず遠くから盆踊りの太鼓と歌声が聞こえてくる。

展覧会へ

E子ちゃんとフェルメール展行きを決行した。6月に約束してありはじめは今から2週間前に行く予定だったが余りの暑さに後ろ倒しをしたのである。昨日の時点では涼しい2日間の後ぶり返した暑さでまたまた先延ばししようかという話も出た。しかしこの展覧会は新聞を始めいろいろともの凄い宣伝に打って出ているから後半になればなるほど込んで人の頭越しにしか作品を拝めなくなると踏んでの決行である。朝早い電車に乗った。まだ学生は勿論、一般サラリーマンもずらして夏休みを取るせいか、ほどほどの込みようで済んだ。
フェルメールの作品はたった33作品しか確定されてない上世界中に散らばっていて観に行くのも大変だというがその中から7作品が東京に集結したという豪華さ。初めての作品ばかりだった。会場ではまず同時代の画家たちの作品の展示があり上階に移って最初に観た大きな作品「マルタとマリアの家のキリスト」には感動ひとしおだった。マリアの上着、そのあと観た「ワイングラスを持つ娘」や「ディアナとニンフたち」にも使用されている赤がとても印象的だった。すべて丁寧に観てもまだ11時。今日は都美術館の中で絵画鑑賞、昼食、お茶と全部ひっくるめてやってしまった。会期の始めに観る、開場とともに観るという2作戦も大当たりだったようである。

雷雨がくれた自然のクーラー

昨夜の雷雨で気温が一気にに10度も下がった。今日の心地よさは食欲も思考力も限界まで来ていた私を生き返らせてくれた。エアコンの中ではなく窓からの涼風を感じながら食事の準備ができて幸せだった。なかなか読み上げられなかった分厚い本「地上最強のオペラ」もかなり読み進められた。テレビはオリンピック一色で興味ない者には苦痛。代わりにツタヤで借りた「エリザベス ゴールデンエイジ」を見た。この映画は先週読み上げたロスマリ・サトクリフの歴史小説とエリザベス1世とウオルター・ローリーという登場人物で重なっているから面白く見られた。でもメアリ女王の断頭台の場面などとてもテレビ画面を直視できず椅子から立ち上がり部屋の中を一回りしていた。メアリ女王といえば死直後に作ったと言われる美しいデスマスクをテレビで見たことなどいろいろ思い出す。
8月も後半。いくらなんでも暑さも行ったり来たりしながら収束していくだろう。

iPhoneと老人

iPhoneを手に入れてルンルンの夫とこの機械に着せる新しい洋服、つまりケースを買いに銀座まで行った。新しい機器を買うとそれを攻略するため何冊ものマニュアルブックを買う。それで済む物もあるけれど周辺機器やら新しいソフトも必要なことがよくある。今回はiPodの時と同じで携帯用のケース、それに表面をガードするフィルムも必要。iPhone はむき出しで持っていると手のひらから滑り落ちそうだ。幸い気に入ったケースをみつけた。帰宅して納めてみるといい感じ。ざらついた布の分だけ落とす失敗は減るかもしれない。これで我が家も晴れてケータイ族。N子、K子に電話番号を知らせると「良かったわね」と返事あり。新しいケースに収めてやれやれ、わたしはいつもの癖でiPod 同様に引き出しに仕舞った。夫が「おいおい、なにするの?携帯電話だから身につけておかなくては、、、」と笑う。そうか。まだよく分からないがわたしにはそれほど必要ない物ではないかもしれない。事実、夫が買ったのもMacという会社の製品はどれも使ってみたいという好奇心からなのだから。そして我々老人夫婦にとってはいろいろな機能を使いこなすことによって認知症予防グッズになるのかもしれないと密かに思うのである。

夏のある日

先週から決めていた芝刈りを敢行した。それでも庭全体をやるのはとても大変だから今日の仕事を大きなゴミ袋に一杯分の芝刈り、と決めて朝の7時からとりかかった。こんな日は、いつもの習慣である朝のウオーキングは止めである。1時間半歩いてそのあと芝刈りでは体を動かしすぎると思うから。1時間45分でやめた。そのうち30分は草が絡まって動かなくなった芝刈り機の手入れ。iPodのイヤホンから耳に届くマリア・カラスの歌う力強いオペラアリアが後押ししてくれた。さすがに疲れた。後はシャワーを浴びてソファーで一休み、次はアイロン掛け。シャツ、ブラウス9枚にアイロンをかけた。出来るだけアイロンのいらない物を着ようと思うがわたしは出かけるとき真っ白の麻のブラウスに一本のしわもなくアイロンをかけて手を通すのが好き。家族にもアイロン掛けの必要なシャツを何となく着せてしまう。午前中はこれだけで終わり。午後は夫と温泉(スーパー銭湯ではない)に行って体を休めた。これで朝の芝刈り労働の疲れがとれた。

電話ごっこ

「ママ、携帯を持ってちょうだい」と子供たちに何度言われただろう。待ち合わせのときいつも忙しい若い世代は便利な携帯に頼って「ちょっと遅れ気味」と一声電話したいときがあるようだ。また待ち合わせの場所がずれても「今どこ?」の一言で無事に会うことが出来る。
一方夫は、アップルの情報に強いから携帯が出たら買おうよ、それまで他のを持つことはないよ、といつもわたしを牽制して来た。約1年前アメリカで初めてiPhoneが発売されるといやがうえにも購買への意欲が高まって日本上陸をひたすら待っていたのである。一昨日都心へ出たついでにソフトバンク旗艦店へ行ってみると品薄はとうに解消して売っている。列に並んで1時間、契約に1時間でとうとう手に入れた。昨日今日とまるで新しい玩具を手に入れた少年のようにマニュアル本と首っ引きでiPhoneに向き合っている。夜になって固定電話の子機を持ってきてソフトバンクでもらったばかりの新しい番号にかけろとの騒ぎ。たったの1メートルしか離れていないところで「もしもし」「はいはい」と電話のやり取りのテストをする。まだ仕事場から帰宅していないだろう子供たちの家にも電話して呼び出していると喜んでいる。もう写真も入ったらしい。次はDVD。わたしは最初ベッリーニの「清教徒」を入れて楽しみたい。とうぶんiPhoneはいい遊び相手になってくれそうだ。Macの製品はすべて手にとり試してみたい人である。

雨のにおい

関東地方あちこちでひどい雷雨があったようだ。この辺りはずっと雨が降らず一雨欲しかった。昨日もどこかで雷鳴はかすかに聞こえはしたけれど降らず終い。しかし今日はとうとう待望の雨。しばしごろごろ聞こえて、乾ききった空気にどこからともなく雨のにおいが加わってとうとう降り出した。今日の雨はなんと好もしく思えたことか。一雨の後、強い日差しを受けて熱くなっていた家屋自体の温度も下がりエアコンの効き目がぐっと良くなった我が家である。
8月になって時間が出来た。で読書に勤しんでいる。「アンのゆりかご」(村岡花子評伝)を読み上げた。72歳まで海外に出た経験のない村岡花子の英語を叩き上げたのは類い稀な努力家の本人と東洋英和のカナダ人宣教師たちだった。父母から聞いたり読んだりした大正昭和に活躍した女性達の姿も書き込まれていて興味尽きず最後まで読み通した。